Chouette Ange

観劇記と好きなひとたちについて

ミュージカル『next to normal』感想

東京千秋楽、おめでとうございました!!!!!!!!

AチームとNチーム2回ずつ観劇しました。Nチームをあと1回見る予定です。

 

わたしは考察したいけどできる頭のない人なので、自分なりのN2Nの解釈を得るまでに時間がかかりましたが、パンフでの対談やふーとーくでの望海さんのお話し、初演でゲイブを演じた辛源さんのブログ等を読んで、「こういうことなのかな」という形が見えてきたので、残しておこうかと思います。

ネタバレしますので、まだ見てない方で絶対にネタバレ踏みたくない!という方はリターンでお願いします。

ちなみに私は上演が決まった時にいろいろあらすじやどんな役か調べたときにネタバレを踏んでしまっていて、踏んだことも気づかず、1回目に観劇したときに「なにがネタバレなんだろう?ここからどんな大きなネタバレが…?」と思ってみているうちに終わり、終わったあとに「あれがネタバレだったんだ!」と気づきました(笑)ただのあほですね…(笑)

ただ、そんな状態でも1回目に見たときの衝撃はものすごかったので、仮にネタバレを踏んでしまっても十分に楽しめると思います!

ではいきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

①ミュージカルのおもしろさ

双極性障害と診断された女性を主演にした家族のおはなし。それだけ聞くと、ものすごく重たい作品に聴こえるけれど(いや確かに重いお話しなんですが…)、音楽の力で重いだけではないお話しになっているところがミュージカルの面白さだなと思いました。

ほとんど歌で物語を紡いでいくので、当然ながら歌で物語を届けるだけの力量がキャストには必要なのですが、それを当たり前にできるベースがあるキャストが揃っているのが心地よかったです。(化け物級に歌のうまいキャストに囲まれるはっしー、がんばれ…!と手に汗握っておりました。2回目の方が明瞭になっていたし健闘していたと思う。というジャニオタとしてのわたし)

やっぱりわたしはミュージカルに歌唱力が必要だと思う。Into the woodsで歌がうまくても…みたいな意見がありましたが、お芝居を届けるための歌唱力はやっぱり最低限必要です。それを”普通のミュージカルではない”という謳い文句で逃げてほしくなかったなと改めて思いました。と、森のお話しは置いておいて…。

海宝さんのCDに入っていた「I'm Alive」をN2Nの曲と知らずに聴いていたんですが、この曲がN2Nの曲と知ってからは曲は意外とPOPなのかな?とかいろいろと思って観劇をしたら、本当にいい曲ばかりで、このお話しにこういうメロディーの歌をぶつけるんだ!?という驚き。

曲の力で物語全体を重くなりすぎないようにしていて、ミュージカルって面白い、と改めて思いました。

ブロードウェイオリジナルキャストの音源を見つけてからはずっと聴いてます(笑)本当にやみつきになる…!!

初見はNチームだったのですが、嗚咽レベルで泣いて(両隣が空席だったのもたぶんある)、しばらくひきづり今後の観劇が心配になったのですがその後はストーリーを知っていたので初見ほどではなくて安心しました。

今回は娘のナタリーにいちばん感情移入をしたんですが、母という立場になったらおそらくまた違った感情を持つだろうし、多分わたし客席から立ち上がれなくなるほど泣くんではないかと…(笑)まあ母になる予定はまだまだないんですけれどもね…

こう思ったのは星逢一夜以来です。星逢もこれ立場が変わったらまた感じ方が変わるだろうな…と思った作品なのでした。

 

②全く色の違うAチームとNチーム

初演、TENTHと続投の瞳子さんをはじめ、経験者が何人かいるAチームに対し、全員はじめてのNチーム。

どうなるんだろう?とどきどきでしたが、両方ともすばらしくて比べられるものじゃない!と思いました。

同じ視点でみたいけれど、Nチームは贔屓が主演をしているし、Aチームは海宝さん目当てで行っているし、到底無理ですね(笑)

わたしはSPERO以来、すっかり望海さん×海宝さんのコンビが好きになってしまったので、今回も望海さんのダイアナと海宝さんのゲイブが見たかったなあと思っていて残念に思っていたのですが、、、まあ息子役だと無理があるか…と思い納得していました。ですが、実際に観劇してこのキャスティングに至ったのは、どちらかと言うとダイアナとゲイブと相性というよりはダイアナ×ナタリー、ダン×ゲイブの母娘と父息子の親和性の方がきっと大事なのかな?と思いました。

それだけ、瞳子ダイアナ×昆ナタリー、望海ダイアナ×屋比久ナタリー、岡田ダン×海宝ゲイブ、渡辺ダン×甲斐ゲイブがぴったりだった!特に、Nチームはこの親にしてこの子あり、というかぴったりでしたね…

ゲイブだけ入れ替えというのも見てみたかったですね。

どの役も全く違いましたが、特にゲイブが全然違くて面白かったので…。

もともとご本人が持つ属性が全然違う!どこか影のある闇属性っぽい甲斐くんと根っからの”陽”な海宝さん。甲斐くんはルドルフ本当にぴったりだろうなと思いましたし、イケコが気にいるのもわかる感じ(笑)

海宝さんは本当に歌がうまい。歌がうまい人たちの中にいるのにさらに歌がうまいってなにごと?と思いつつ。生きたい!!この世に残りたい!!!!と思う生命力あふれるゲイブ。

甲斐くんは生きたい!!というより、ママパパナタリーに忘れられたくない、みたいな方が強かった感じ。

ダイアナの記憶がなくなったあとに黒いTシャツの衣装になって歌うところ(階段から降りてくるところ)が全く違った。甲斐くんは記憶を思い出して欲しいという執念を感じられて、海宝さんは”虚無”って感じなの。普段が目から笑う人なのでほんとこわかった(笑)というか、今回海宝さん本当に感情剥き出しで涙流しながら演技しているのを見て、結構びっくりした。ファンの方には当たり前かもですが、ここまで感情剥き出しで演技するんだ!?と思って。

 

瞳子さんのダイアナはご本人がおっしゃっていた、一見普通な人がどこかおかしい感じ、を見事表現されていて絶妙な匙加減がさすがだった。

岡田さんのダンは基本いいお父さんでダイアナを愛しているのが伝わったくるんだけど、ナタリーに対する当たりが結構強くてびっくりしたのと、よくよく見ていると感情の起伏が激しくてラストにゲイブの名前を呼ぶところは観念したように呼ぶので、ずっと壊れかけていて最後に一押しされた感じ。

渡辺さんのダンはわりと感情が一定でおだやかでナタリーに対しても嗜める感じで、都合が悪いところは見ないようにしようといるところが顕著。最後のゲイブが見えるところはしっかり目を見て壊れそうな目て”ゲイブ…ガブリエル”と言うので本当にぞっとする(笑)ダイアナが出て行ったところで一気にこわれちゃったのかな…と思った。

ナタリーは役自体が感情移入する役なので、どっちもとてもよかったんですが言語化しにくいな。冷静にみていないということを自分で自覚しているので。

ヘンリーは大久保さんは本当にいいやつ!という印象に対してはっしーはヘタレっぽいけれど冷静にみるとただのイケメンなんだよな…っていうのがジャニーズっぽくておもしろかったです。

ドクターはちょっとわたしにはどういう存在か理解しきれなかったので、また理解してきたら追記します。

 

③ダイアナから見た物語、”ゲイブ”という存在とそれぞれの”光”について

ゲイブという存在はダイアナの幻覚なので、ダイアナが理想とする息子の姿ということ。そりゃ、あんなすてきに育った息子が出てきたらすがりたくなるなあと思いました。その上で、前述した2人のゲイブの違いはとてもおもしろかったです。

色々な考察を読んだ上で、この作品にとってゲイブ(=ガブリエル)という名前(ダイアナやナタリーも含めて)が大事だということに関して。

ガブリエルとはキリスト教ではマリア様の受胎告知をした天使のこと。「神の福音を告げる天使」がガブリエルというのだそうです。

何度か見てゲイブの名前が全然出てこない、ラストのダンが名前を呼ぶだけだということには気づいていたのですが、原作ではゲイブという名前を呼ぶことでゲイブが成仏し、消えているというのをある考察を見て知りました。ずーっとゲイブは”ぼくの名前を呼んで”と言っていて、それだけ名前が大事だということはわかっていたのですが。

息子の死因と向き合い、娘に打ち明け正面から向き合うことやダンと共依存のようになってところから家を出ることによって一歩踏み出したダイアナにとっての”光”は理解してしたのですが、ダンにとってはなんなのだろう?と思っていて。それが、原作だとダンがゲイブの名を呼ぶことにより存在が消えているということを知り、ダンにとってはゲイブという存在と向き合って自身の問題を見て見ぬふりをやめたことが”光”なのかな?と。

ダンとゲイブはどうなるんだ!?と思っていたので、納得しました。

衣装が青=ノーマル、紫=ネクストトゥノーマル、赤=クレイジーという意味を表すと知ってから、ラストのダンとゲイブの衣装が赤いのが苦しかったのですが私自身救われました。

ナタリーとヘンリーはラストの笑顔が明るくて、ナタリーがヘンリーとダンにお祝いされているのが未来への明るさを現しているようでうれしかったです。

 

④望海さんのダイアナ

どうしても贔屓目になってしまうので…。

宝塚時代、どんなに感情が昂っていても涙を流さなかった望海さんが涙をぼろぼろ流して演技している姿を見るとそれだけで泣いてしまうのですが(笑)男役さんのときは異性を演じるというひとつのベールがあったからかな?と思いました。

2回目を観劇しているとき、冷静に考えて望海さん歌もお芝居もうまいなあと思って、本当にすごい人を応援しているんだなと思いました。(何回目の感想?笑)

あんなに感情をむき出しにしているのに歌をコントロールしているの、本当にすごいなと思います。

すんごい表情筋を使って演技をしているところを見ると、男役時代から変わっていなくてすべてがつながって今に至っているんだなと思います。

望海さんに合わせてチーム全体が引き上げられているのをみて、歌と演技で座組引っ張るところが変わっていなくて嬉しくなりました。

これからもいろんなお役を見れるのが本当に楽しみ!!!夏以降の予定を早く教えてください!!!!!笑

 

まずはあと1回観劇予定なので、全力で目に焼き付けます。

また追記しますね。駄文すぎてああああ〜って感じなのですが、また推敲しようと思います…。

それでは!