Chouette Ange

観劇記と好きなひとたちについて

ミュージカル「イザボー」初日雑感 ※ネタバレ含

初日(1/15)行ってきました!
無事幕が開いて本当によかったです。無事に怪我無く病なく千秋楽まで駆け抜けられますように。
以下雑感です。ネタバレ含みます。

 


【初日前の期待とちょっとの考察】
MOJOプロジェクト(Musicals of Japan Origin project)と銘打った今回の作品。
すでに演出家として定評のある末満さんの作品。
人気と実力を兼ね備えている望海さんを主演におき、甲斐くん、上原さん、石井カズさん、ガウチさん、上川さんと確かな実力と実績と人気のあるキャストで脇を固め、なおかつ日本発オリジナルミュージカルということで、かなりナベプロが気合が入っていることが伝わってきました。
宝塚も最近は完全オリジナルの新作ミュージカルは少なく原作ものが多いし、東宝や梅芸も完全オリジナルというものは全くといっていいほどないので私自身もとても楽しみにしていました。
舞台の宣伝って初日間近ですることが多くて「え、もうチケットとっくに売り切れてますけど?」ってことが多々あって残念だなと思っていたのですが、今回は昨年の9月あたりから望海さんと末満さんの対談インタビューの雑誌が発売されていてずいぶんと初動が早くて感心しました。
事前にインタビューを読んだり、ミュージカル&トークののぞかいのお話を聞いたりしていて、どうやら音楽がすごいらしい、今までにないミュージカルらしい、よく知っている望海さんもそうじゃない望海さんも観れそう?等とどんどん期待が膨らみました。

事前予習としてはキャストが出たときにWikiのイザボーのページを見ながらあてはめたり、ネットでちょこちょこ調べたり。直前にカズさんがインライをしてくれたり相関図を上げてくれて、それを頭に叩き込んで臨みました。(どうやら難しそうとおもったので…)
Wikiの次に出てくるこちら

フランス史上の恐るべき女子 第一回 イザボー・ド・バヴィエール – ラグビー現象

のサイトをたまたま読んだのですが、結果的にはこのサイトにのっているエピソードがかなり盛り込まれていたのでだいぶ予習になりました。ただ、ネタバレにもなりうるかも?(わたしはネタバレOKな人間でゲネ映像も見ちゃいました)
カズさんのインライの中でイザボーは元々はイザベルと呼ばれていたと知り、改めてキャストを見るとイザベルという役名がありこの子は若き日のイザボーなのか?それともイザボーの娘なのか?という考察というほどでもないけど、結構名前が変わっていったことが重要そうだったのでそんな予想を立てながら臨みました。

【脚本と演出】
事前演出とはなんぞや?という感じでしたが客席への注意と物語への導入を一緒にするという巻き込み型演出。(アンサンブルの人たちが客席登場する)
と、ともに甲斐くんの登場。冒頭からガンガンロックで攻めていくのでぐんぐん引き寄せられるのと目の前で起きていることの衝撃がすごいです。望海さんの登場はトップスターそのもの…!
正直、初日は目の前で起きていくことを処理していくので精一杯でした。
全体通してみると、主人公が主人公なので史実どおりに進めていくと感情移入しきることは難しいのかなと思います。ただ、わたしはイザボー(イザベル)と夫のシャルル6世の関係性の描き方がかなり好き。
ふたりがどんな役作りをしたのかとても気になります。(このへんふーとーくでお話してくれるかな)
様々な男性と関係を持たざる得なかったのも理由付けがされていてよかったけど、2幕のある種の狂乱ぎみなイザボーの裏付けというか脚本的な書き込みはもうちょっとほしかったかなあ。
末満さんはかなり宝塚時代の望海さんをみて研究…というか、自分の思い描くコレだったら望海さんが表現してくれると思ったのかな。ファンはこれ好きだよねというところが詰まっていたように思います。
ただの悲劇ではなくて逆境の中でも生きていく強さ、が一番のテーマなのかなと。
客席降りは3度かな。1階後方通路後ろの席だったので、2幕冒頭いきなり目の前に上原さんがいてかなりびっくりしました(笑)ただ、今回わたしは1階席だったので客席降りも楽しめましたが、2階3階はどうかなと思います。。
細かい演出の部分はまたこれから見ていく中でって感じかな…。

【キャストについて】
みんな声がでかくて歌もお芝居もうまい!!!!!これだけのキャストを揃えられるのがすばらしいです。

特に甲斐くんは説明歌詞も多いしストーリーテラーなのでここが崩れると置いてきぼりになると思うのですが、すごく聞き取りやすくてびっくり。MRのときはもうちょっと活舌甘いところあったよね…?本当に成長速度がえぐい。
望海さんと各々の主要キャラの絡みがたっぷりあるのもよかったなあ。
望海さん×甲斐くんはもう安定です。MRが大好きすぎたのでどう感じるか不安でしたが、最後の邂逅とてもよかった。マザコンこじらせた甲斐くん…。ストーリーテラーをしながらも心情の揺れも伝わってきて感情移入できるキャラクターに仕上げていてすばらしかった~!のぞかいは前世親子とか兄弟とか親友とかだったと思う。

初共演の上原さんとは歌の相性もお芝居もめちゃくちゃよくなかったですか…?シャルル6世が狂わなかった世界線も見てみたかったと思わず思ってしまいました。上原さんはミスサイゴンみたときにとってもよかったのでたのしみにしていました!狂っている時間のほうが長いし、正気に戻っている少しの時間帯でイザベルのことを想っていることを表現しなければならないので大変なお役ですよね。
たぶん回を重ねるごとに2幕冒頭が苦しくなるやつ。のぞコンでゲストでくるときにはベタなラブラブデュエット歌ってほしい(笑)
カズさん、ガウチさんはただ対立して悪役!という感じではなくて国のために信念を持った上での行動という役どころなのが良かった。しかしこのふたり濃いな…(笑)
上川さんはあんなにいちずに思っていたトゥールーズから一転、プレイボーイのような役。上川さんは声は甘いしいいんだけど、なんかキャラが薄い気がして。(脚本の書き込みの問題)パンフの歌詞とか2日目の観劇でもっと注意してきいてみます…
はじめましての那須凛さんは本当に初ミュージカル!?ってほど歌うまいしお芝居もうまい…!すばらしかった。
甲斐くんと実年齢3つしかかわらないのにちゃんとお義母さん。
アンサンブル表記だけどプリンシバル並みの活躍をしているイザベルの大森未来衣ちゃん。すごい活躍だったしこの子もうまかった!イザベルがジャンヌダルクの役もやるというのがなんかこう、ぎゅっとなるよね…。

座談会を読むと”エネルギッシュ”というのがひとつの軸になっているようなので、そういうパワーがあるメンバーをキャスティングしたのかなと思いました。
しかし本当にストレスなく上手い人たちの集まりで、カンパニーの雰囲気もよさそうなのでイザボーの再演もいいけど(再演する作品にしたいと言っていたので)また別の作品も見てみたいです。2~3年に一度くらいこのメンバーで集まるような劇団にしてくれないか?(言うだけタダ)

【音楽】
うん、すごかった!ロックからバラードまでいい曲ばかり。
こうくるか!?っていう音楽って意味ではN2Nに似ているな~と思いました。
望海さんは歌いやすい音域(でも難曲)でもうなんかノリにのっていた。
歌詞つめつめで早いテンポの曲を破綻せずに歌えているのはキャストの力量あってこそだと思います。


ということで。
また何度か観る予定で配信もみますしふーとーくもあるので、my楽を迎えたらまた感想をまとめようと思います。
初日後のつたない感想でしたが自分用に残しておきたいと思います。
どんな進化をしていくのか楽しみです!